リレーエッセー 第15弾

私の囲碁・将棋

広報部部長 杉原 雄二郎(II2EB)

定年退職後の生活は予想していた通り単純で、囲碁・将棋の棋力向上のための研究及びその対局には現役時代では考えられない程の時間を割くことができる。
「囲碁を楽しむものは人生を二倍生きることができる」という格言めいた文言をある囲碁雑誌で読んだことがある。 その時は漠然と読み流していたが、囲碁の勉強に熱中するにつれ、その意味が分かるようになってきた。 囲碁は限りなく奥が深くかつ面白いのである。 碁は基本的には「二人相対し、三六一の目を盛った盤上に交互に一つずつ黒・白の碁石を並べ、地を広く占めた方を勝ちとする遊戯」(広辞苑)であるがその複雑さは実際「打って」みないと分からない。 中国から伝来したものであるがよくこんなゲームを作り出したものだと感心するばかりである。 あるプロ棋士は「囲碁は神様が与えてくださったゲームである」とも述べている。 その歴史は古く十世紀後半に成立したといわれる宇津保物語にも登場し、詰碁集も一三四七年に中国(元)で発行された「玄々碁経」、一八一一年に京都・大阪・江戸から発刊された「碁経衆妙」などがある。

このような囲碁を楠ヶ丘会でも打とうという気運が高まり二〇〇六年に小林信次郎副会長、築谷行雄前常任理事が中心となり同好会を結成した。 現在同好会では毎月二回〔第二、第四月曜日(月曜日が休日のときは直後の火曜日)〕が午後一時〜四時三〇分に約十名が対局している。 アマチュア囲界第一人者赤松正弘氏(学15EB)も二〇〇七年七月に楠ヶ丘会館の対局場に来られ四名の会員が「四子」を置いてご指導を受けることができた。 手割は点数制で手合割表にもとづいて行っているので初心の方でも容易に同好会に加入できるので皆様のご入会を期待している。

将棋は小学校低学年以来親しんでいる。 将棋は「室内遊戯の一。二人で将棋盤を挟んで相対し、盤面に配置した駒を交互に動かして闘わせ、相手の王将を擒にした(詰めた)ものを勝ちとする。 インドに起り、日本には遣唐使や入唐僧などによって中国から伝来したという。大将棋・中将棋・小将棋などがあり、現今の将棋は小将棋に中将棋の飛車・角行を加えたものから発達。 相手から取った駒を自軍で使えるのが特徴」(広辞苑)であり、勉強・研究すればする程奥深く面白いゲームである。

将棋の同好会も二〇〇六年、赤松光雄・原田松三郎両名誉教授が発起人となり、その同好会が結成された。 現在六名の会員が毎月第一火曜日、午前十時三十分から午後四時三十分まで対局している。 そこでは林一郎元学長から赤松光雄同好会長に贈られた元学長手製の漆塗りの見事な駒箱が見られるし、対局場で会員所有の黄楊のすばらしい盛上げ駒・埋駒・彫駒を用いて対局を楽しむだけで得難い経験である。 駒割(手合割)はオール平手(駒落でない、双方が互角の手合い、即ち対局)であるが話し合いで、定先、駒落ち等も行っている。 このホームページをご覧になった方々、同好の方々のご入会をお待ちしている。

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