会長あいさつ

就任の挨拶

会長 西川 喬


この度、神戸市外国語大学同窓会「楠ケ丘会」の会長に就任いたしました。

私は、1965年(昭和40年)に神戸外大に入学しましたが、外大は当時六甲にありました。 近くに下宿する学生を除けば、多くは阪急電車の「六甲」で降りて、徒歩で向かうか、バスで「外大前」で降りるかしました。 いずれにせよ、大学の正門に向かうには俗に「地獄坂」と呼ばれていた急な坂を200メートルほど登らなければなりません。 少し息を切らして最後の階段を上り、振り向くと遠くに神戸港が一望できました。 天気の良い日には、陽の光を浴びて、港はまぶしいほど輝いていました。

その後、私は今度は外大の教員としてこの坂を上がることになりました。 そうこうしているうちに、大学の移転が決定し、1986年に現在の学園都市に移りました。 日本経済のバブル期の絶頂は1989年だと言われていますから、移転した当時は神戸市も潤沢に予算があったのでしょう。 大学から要求した教育用の器具の多くには予算が付きました。 その中でも最新鋭のパソコンが学内に設置されました。

まもなくこのパソコンの講習会が開かれました。 参加した先生方は、40名ほどだったでしょうか。 8インチのフロッピーディスクに入ったワープロソフト「一太郎」をまずパソコン内に記憶させて、 つぎに記録用のディスクを入れて作業が始まるのですが、 ローマ字で打った「watashi ha isha ni ikimashita」が変換キーを押して、漢字かな混じり文の「私は医者に行きました」に変わると、 参加者から驚嘆の叫び声が上がったほどでした。

1986年の最先端のパソコンはこんな程度だったし、使う側の意識もこんなものでしたから、 思いだすとむしろ、微笑ましい光景に思えます。 暫くすると、普通に日本語が打てるようになり、スペイン語も打てるようになり、 やがて、スペイン語と日本語が自在に混ぜて打てるようになりました。 本一冊分の分量をメモリーに保存できると知って驚いたのもわずかな期間で、 すぐに100冊分も、音楽も、動画も保存できるようになりました。

僕らはいまなお凄いスピードで変化する只中にいるようです。 ただ、そうした便利なものを使いこなすのも必要なことかもしれませんが、 ときにはゆったりと昔の時間を思い返すのも悪くはないと思います。

詩人の長田弘が詩集『世界は一冊の本』の中で、「12人のスペイン人」として、 フアン・ラモン・ヒメネスを取り上げています。


  人々をごらん。人生の表と裏を眺めながら

  ときどき心の暗がりに、苦しい思い出を捨てて、

  みんな勇気をもって、年老いていく。


  しっとりと、おだやかに、地球はまわる。

  アンダルシアの詩人は、ロバにいった。

  ごらん。青空のほかに、神はない。

  この世に足りないものなんて、なにもないのだ。


勇気をもって、老いていく。しっとりと、おだやかに、時を過ごしていく。 この詩人のことばを僕はこんなふうに、言いなおしています。 大学の同窓会がしっとりと、おだやかに、発展していくことを心から願っています。



略歴

神戸市外国語大学イスパニア学科卒業/神戸市外国語大学修士課程修了/

マドリード大学博士課程修了, 言語学博士(Doctor en Filologia)/

アルカラ大学外国語センター講師を歴任/現在 神戸市外国語大学名誉教授

主要著書

『わかるスペイン語文法』同学社,2010年

『スペイン語大辞典』白水社,共著,2015年

『これが基本!スペイン語』同学社,2015年

『基本から学ぶスペイン語』弘学社, 2016年

『基礎から学ぶスペイン語教室』同学社, 2017年

『Amigos』第三書房,2018年

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2018年7月24日
(撮影日:2018年7月24日)

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