会員だより

<叙勲に思う「心に故郷を」>

松本 年行(II8EC)

「光陰矢の如し」、戦後六十五年を迎える長崎では今日も平和の鐘が鳴り響く。 六十五年前の八月、原爆が投下され、一瞬にして数万の人が屍となり、街は焼土と化した。私も多くの祖父母や従兄達を被曝で亡くしました。 私は、被爆地から長崎本線を列車で約四十分位離れた有明海に面した風光明美な漁師町に生まれ、敗戦と激動する社会の中で法の番人として四十有余年、至誠奉公に努め、早や古稀も終わり、昨年は、多くの人達の御指導と御支援の賜で秋の叙勲(瑞宝章)の栄誉と天皇陛下の拝謁の栄に浴しました。 日々感謝の一念です。

昭和十五年八月、第二次世界大戦勃発から昭和二十年八月、長崎に原爆が投下され、ポツダム宣言が受諾された八月まで、日本は長年戦争に明け暮れた。

大戦の末期に幼年期をすごした私達は、老人、女、子供達ばかりで、銃後の守りとして故郷を守り続けた。

生家の上空は、長崎〜福岡間の米軍機の偵察路線で、連日、B二十九爆撃機が飛来し、学童とは名ばかり、毎日、勤労奉仕が続き、夜昼となく空襲警報が発令され、防空頭巾をかぶり路上に伏せたり、防空壕に潜り込む等、航空管制下の暗い生活を繰り返した。

昭和二十年八月十五日の午前十時頃、米軍偵察機が低空飛来し、敗戦を知らせる銀紙ビラが投下され、人は皆、茫然と泣き叫び、数日後、米軍久留米部隊の装甲車列が自宅前の国道を長崎へ向かい通過する時、皆殺しにされるのではないかとの恐怖感から各家庭の雨戸は全部閉められ雨戸の節穴から車列を覗いた事を昨日の様に思い出します。

昭和二十年八月十五日の昼頃、防空壕の中でラジオから流れる天皇陛下の玉音のお言葉を聞き、半信半疑ながら安寧の念を抱きながらも戦争の恐怖から逃れたのであった。

戦後間もなく、父が九死に一生を得て戦地から復員、帰郷し。復興への生活が始まった。

市街地は破蔽し、衣食は殆ど皆無に等しく自生の植物や昆虫をも食べる生活を余儀なくされた。又、復員列車や闇物資列車等想像を絶する光景が脳裏をよぎってくる。

敗戦と廃墟の中、私達は、新憲法と新教育制度のもと二の宮尊徳像を目標に日夜、必死の思いで勉学に仕事に励み、科学技術、経済社会では世界に類のない奇跡の復興を遂げた。

昭和三十年ごろには最早や、戦後ではないと豪語され、老いも若きも都市に向かい地場産業が衰退するなか、貧農、貧漁の五男である私も望郷の念を抱きながら大阪に出てきたものの就職はなく、独立独歩の葉隠れ精神で大学に入り各種の奨学金とアルバイトで卒業したものの、大学は安保闘争や、学園闘争に明け暮れる中、社会生活に突入、激動社会のなか、人生の大半を過ごした。

法の番人としての人生、社会の裏街道を知り尽くし、矛盾に満ちた人生に落胆を感じたこともしばしばでした。 町の姿も路面電車オンリーから地下鉄オンリーへ、低層簡易ビルから高層ビル街へと巨大都市化する等、これ等は、高齢化社会を迎えた企業戦士たちの努力の賜と感嘆せざるを得ない。

凱旋の将、多くを語らず。 今や高齢化社会を迎えた我々、「心に故郷を」、驕ごることなく悠然として余生を送ろうではなかろうか。

古希も終わり、人生訓から恩赦の念にかられ、民生児童委員、青少年指導委員、交通安全教育指導委員、防犯委員、教育協議会委員、学校安全委員等地域に密着した奉仕活動に専念中の昨今です。

少子高齢化の時代を迎え、かっての家庭や地域機能の弱体化、住民相互の繋がりの希薄化、家庭内暴力、児童、老人虐待、少年非行、いじめ、不登校、寝たきり、介護、母子、父子家庭の増加等々福祉問題が山積し、一時も目を離せないのが現状です。

福祉社会の実現と期待される奉仕活動を目指し、悔いなき人生のため、今日も街中を巡回し、生涯現役の人生に満進中の平成二十一年の夏、警察本部より秋の叙勲の一報を戴いた時、夢ではないかと疑心暗鬼の心境になりました。

法の番人としての個人および公共の安全と秩序維持のため家庭も顧みず仕事に専念した過去が走馬灯のごとく脳裏を駆け巡り、感涙の涙を妻と分かち合いました。

皇居、豊明殿で天皇陛下のご拝謁を面前でお受けした瞬間頭中が真っ白くなり、この瞬間こそが勲章だと思いました。

この度の叙勲は、今日までの私を取り巻く皆皆さまのご支援とご指導の賜物であり、ひたすら感謝の一念でございます。 これからはご恩に報いるべく地域社会へ献身努力する覚悟です。 有難うございました。

被爆アオギリ2世の成長

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2017年11月28日
(撮影日:2017年11月28日)

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